大阪特別法務員の会

会員の皆さまへ研修会の記録とお知らせ

2026年9月

第34回研修会の記録動画

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会員の皆さまへの記録として、限定公開で掲載しています。

第34回研修会の記録

大阪特別法務員の会 第34回 研修会

  • ・令和8年7月28日(火)16時〜18時
  • ・本願寺津村別院2階 二尊堂

7月28日に津村別院にて開催されました研修会では、AUBEボイストレーナーの田島奈美師より「ボイストレーニングの実践」と題して、僧侶に向けた「喉に負担のない声の出し方」をテーマとしてご講義を賜りました。

本講義は、配布資料に沿った座学と、参加者を交えた実践の2つの内容に沿った形式で行われました。

お盆など長時間の読経で喉を酷使しないため、声帯の仕組みや呼吸法を解説いただき、地声と裏声の中間であるミックスボイスの活用法を、実践を交えて解説いただきました。

講義全体を通して、喉を消耗品と捉え、地声頼りのリスクを避け、持続可能で響きのある声を獲得するための技術と心構えをご教示いただきました。

発声の基礎理論(座学)

  • 地声・裏声・ミックスボイス: 読経は地声が多く使われる傾向にあり、長時間の使用で喉を酷使しやすい。地声と裏声の中間であるミックスボイスは、換声点(声が切り替わるポイント)の移行を滑らかにし、喉の緊張を和らげる効果がある。
  • 声帯の仕組みと共鳴: 声帯は発声時に閉鎖し、肺からの息で振動して原音を生成する。この原音は、喉・口・鼻の空間(共鳴腔)で増幅されるため、この空間を意識的に使うことが響く声を出す上で重要である。
  • 倍音の理解: 音は基音と複数の倍音(倍音成分)で構成され、豊かな響きを生む。お経での効果も期待されるが、意識的に出すのは難しく、まずは喉に負担のない発声の基本を固めることが優先される。

正しい呼吸と姿勢(実践)

  • 呼吸と肺の役割: 肺は肋骨の下まで広がる大きな臓器であり、呼吸量を増やすことで息が長持ちし、喉への負担が減る。
  • 骨盤の位置と腹式呼吸: 正座や椅子に座る際、骨盤を立てる(少し後ろに引き込む)と下腹部に自然と力が入り、腹式呼吸がしやすくなる。
  • 腹圧のキープ: 息を吸って胸郭を広げた状態をキープしたまま発声することで、腹圧が支えとなり、安定した声が出せる。ハト胸のイメージが有効。

楽な発声法(ミックスボイス)(代表者男女1名ずつに登壇いただきながらの実践)

  • 前方発声の問題と対策: 声を前に押し出すと喉が潰れやすく疲労につながる。意識を後方(後頭部)に向け、口の中で音を増幅させるイメージを持つことが重要。
  • 軟口蓋の活用: 上顎の奥にある柔らかい部分(軟口蓋)を少し持ち上げ空間を作ることで、響きの位置を後方へ移しやすくなる。
  • 母音形成と口の形: 口の形をコントロールし、特に「あ」を基準に全ての母音を同じ後方のポジションで響かせる練習が有効。日本語話者は「い」「え」「う」の難度が高いことに注意する。

トレーニングと環境対応

  • ウォームアップ: お風呂などで「あいう」と発声し、声の向きと響きの位置を確認する練習が推奨される。
  • ストロー発声法: 水を入れたコップにストローを差して「ポコポコ」と息を吹き込む練習は、喉の緊張を効果的に緩める。
  • あくび法: あくびをする感覚で喉を開き、リラックスした呼吸器の使い方を体得する。
  • マイク運用: マイクに地声を直接向けるとハウリングしやすいため、適切な距離を保ち、ミックスボイスで奥に響かせることでマイク乗りが改善する。
  • 現場での実践: 練習時間が取れない場合でも、本番前に短時間の呼吸・姿勢確認を取り入れ、喉の保護を最優先することが求められる。

また、後半では、参加者から事前にいただいた質問にお答えいただきました。

声を生業とする私達にとって、明日から活用できる実践方法を提示いただきました。

低音域の課題と対処

低音が出しにくい・大きく鳴りにくい理由

  • 一般に高くなるほど音量は増えやすく、低音は「持ち物」(神様からの贈り物と喩えられた)の比重が大きい。超低音域を除き、低音は鳴りにくく、喉の負担・音量不足が起きやすい。

改善の方向性

  • 倍音を感じる練習で鳴りを補う。
  • 習熟に時間がかかり、完全な改善は難しいが、鳴らす練習の継続で徐々に改善が見込める。

声帯の損傷とケア

損傷の種類と治療可能性

  • 風邪や軽度の炎症、軽い声帯結節(ポリープ手前の結節)は、沈黙療法(絶対に話さない・筆談)で回復し得る。囁き声もかえって負担になる。
  • 結節が癖になり後になってポリープの段階まで悪化すると、元通りに戻らない。悪化前に声の方向性を整えて声帯負担を減らすことが重要。

実務上の留意

  • 痛みや発声の違和感を感じたら速やかに病院受診。職業的事情で沈黙が難しい場合は、ケアと対処療法を組み合わせる。
  • これからのお盆参りでの多件数対応(例:一日最大20件、移動以外の喉の休憩がほぼ無し)は相当な負荷。無理を避ける運用が望ましい。

即効性のあるクールダウン・緊急対処

口腔・喉の保護と潤い

  • はちみつ(なるべく高品質、例:マヌカハニー)を摂取。摂取後は5~10分置いてから白湯など飲料を飲むと良い。
  • のど飴・トローチ(龍角散ダイレクト、粉末タイプの直接摂取や水に溶かして飲む形も実例あり)。勤務中でも目立たず使用できるタイプが推奨。

炎症対策と水分

  • 喉を氷で軽く冷やすなどの冷却は一時的な楽さを得る。喉は粘膜であり、水分大量補給が基本。

漢方その他

  • 医師による漢方処方が有効な場合あり。湯煎して飲むタイプが効いた事例がある(具体名は未確定、後日連絡予定)。
  • はちみつに大根を漬けた上澄みなど、伝統的対処は「美味しくない」が効果を感じる人もいる。

睡眠

  • 一番回復する。8時間以上が理想。睡眠中が最も声帯が休まる。

母音で不安定にならない発声

母音を同一の「鳴り位置」で出す練習

  • 先述の「あ・い・う・え・お」を同じ響き位置・舌・口の形で変えずに鳴らすのが理想(配布資料参照)。口内での細やかな動きを統一する。
  • お経的な一定のトーンで発声する練習が有効。母音ごとの口の動きを最小化することで、言葉による音不安定を抑える。

腹式呼吸について

腹式呼吸への誤解の是正

  • 「お腹に息を入れる」イメージは誤り。息は肺にしか入らない。(先生曰く、アンチ腹式呼吸)
  • お腹を凹ませる感覚の方が違和感なく取り入れやすい人もいる。

全身呼吸の提案

  • 腹式呼吸に対して「全式呼吸」を推奨。体の全ての筋肉を使って吸気し、腹圧・音圧を生み、言葉を発する。

最後に、小柳ゆきの「あなたのキスを数えましょう」を歌唱いただきました。

本研修会の締めくくりに、藤会長よりご挨拶をいただきました。

「ええ声と評価いただいた経験はあるが、それだけではまだまだ。もっと上、もっと上と、表現力を含む実質的な要素を高めて、ありがたいと感じてもらえるように、共に研鑽を積んでまいりましょう。」と締めくくり、本研修会を終了いたしました。

第34回研修会の配布資料

音声生理学から学ぶ「疲れない発声法」(3ページ)

メディア掲載(本願寺新報)

新聞本願寺新報

2026年(令和8年)9月20日号(第3603号)8面

津村別院 特別法務員が模擬法要

2026年7月10日、津村別院で開かれた大阪教区仏教婦人会連盟・若婦人のつどいに、当会の有志13人が出講しました。その様子が本願寺新報に掲載されています。

紙面上部:第3603号 本願寺新報 紙面上部:2026年(令和8年)9月20日 日曜日 8面 本願寺新報 2026年9月20日号 8面「津村別院 特別法務員が模擬法要」の記事 記事をタップすると拡大できます
本願寺新報 2026年9月20日号(第3603号)8面より。上は紙面上部の題字・日付・号数、下は記事の部分です。紙面を撮影したもので、傾き・明るさ・コントラストの補正と余白の切り詰めをしています。

今後の予定

第35回研修会(雅楽)

日時
11月上旬予定
16時〜18時(予定)
日程が決まり次第ご案内します。
会場
本願寺津村別院
内容
尾崎別院報恩講への出仕に向けた、雅楽の研鑽です。三鼓のお稽古も予定しています。

尾崎別院報恩講への出仕

山崎輪番よりご依頼をいただき、奏楽員・讃嘆衆として出仕します。

日程
  • 11月27日(金) 日中 10:00
  • 11月27日(金) 逮夜 13:30
  • 11月28日(土) 日中 10:00
楽目
皇麞急・五常楽急・老君子
退出はいずれも陪臚

出仕いただける方を募集しています。詳しくは追ってご案内します。